中古バイクをご購入いただいたお客様から、
「所有しているチョイノリを塗装してほしい」とご依頼をいただきました。
実は、塗装依頼としてお受けするのはこれが初めて。
正直、プレッシャーもありましたが……なにより嬉しかったです。
ご期待に応えたい一心で、丁寧に仕上げました。
チョイノリの外装について
チョイノリは、スズキが販売していた超軽量スクーターで、
フロントのレッグカウルやボディカバーにポリプロピレン(PP)樹脂が使われています。
このPP素材はスーパーカブのレッグシールドと同様、
「柔らかくて割れにくい」というメリットはある反面、
塗料の密着が非常に悪いというデメリットもあります。


塗装の前に行ったこと
PP素材には、そのまま塗ってもすぐ剥がれてしまうため、以下の工程を追加しています。
- 表面をしっかり足付け(サンドペーパーで細かなキズをつける処理)
- PP専用プライマーを塗布(塗料の密着性を高める下処理剤)
この工程を丁寧に行うことで、
通常の塗装よりも耐久性・仕上がりともに安定した状態に仕上がります。
塗装工程
まずはチョイノリをお預かりして、全体の状態を確認。
外装カバーはすべて車体から取り外し、作業しやすいように分解しました。
塗装前の準備は、仕上がりに直結する大事な工程です。


いつも以上に念入りに足付け
今回の外装素材はPP(ポリプロピレン)
塗装の密着が悪いと言われる素材なので、通常よりも時間をかけて足付けと脱脂を実施。
細かな凹凸をつけることで、塗料の定着力を高めていきます。


これらも研磨を行い除去します。


しっかり固定してサフェーサーを吹き付け
すべてのパーツをしっかり固定してから、再度脱脂を行い、
下地となるサフェーサー(プラサフ)を吹き付けました。
この工程で、細かい傷や成型時のムラを埋めて、表面を均一に整えます。

ガンメタリックを塗装
ガンメタリックは、ブラックをベースにシルバーを加えて簡単に調色。
深みのあるメタリック感と落ち着いた雰囲気が絶妙です。
カラー塗装後は、
仕上げにクリアーを吹き付けて、光沢と耐久性をプラス。
一気に“渋い大人のチョイノリ”に変身しました。






調子に乗りすぎると垂れるので注意。
垂れるギリギリが一番きれいです。
組付けて、ブツ取り&磨き工程へ
塗装が乾燥した後は、すべての外装パーツを丁寧に組み付け。
細かい箇所はマスキングを剥がしながら、塗り残しや塗料の垂れがないかをしっかり確認。
塗装中に混入したゴミ(ブツ)や、肌の荒れをペーパーで除去して、
最後にポリッシングでツヤを出します。

慎重に組み付けていきます。

最後に
今回のチョイノリは、見た目もカラーもガラッとイメージチェンジ!
オレンジからガンメタリックへの変化で、まるで違うバイクのような印象になりました。
塗装は見た目だけでなく、気分も変えてくれます。
「もう少し自分らしい色にしたい」「雰囲気を変えたい」そんな時は、塗装がオススメ。
気になる方はお気軽にご相談ください。