バイクを購入していただいたお客様からの引き取り依頼。
知る人ぞ知る、激レアなカワサキ チアー110を格安で譲っていただきました。
実は私はこの車両を知らず、今回が初見でした。
販売する予定で引き取ったものの、
「売れなかったら自分で乗ろう」と思い、目立つようにラップ塗装を施すことにしました。
チアー110の初期状態
車体は純正カラーの紺(おそらく)
各所に塗装の剥がれがあり、状態としてはやや年季を感じるものでした。
レッグシールドは破損しており欠損部分もあり、
部品も専門店でないと取り寄せできないとのこと。
「仕方ない、レッグは切るか」と考えつつ、まずは下地処理から開始しました。

やはり年数相応の塗装剥がれや細かな傷が見られました。

割れたレッグシールドを加工。各パーツの足付け
破損していたレッグシールドは、交換ではなく加工して再利用する方向で進めることにしました。

カッターで切りました。

私にセンスがあれば( ;∀;)
各パーツを取り外して足付け&洗浄
次に、車体から各パーツを取り外し、
研磨・足付け・洗浄といった下地処理を進めていきます。

塗料が剥がれている部分や傷がある部分を研磨。


徹底的に下地処理を進めます。

サフェーサー&ブラックを塗装、そしてラップ塗装
まずはサフェーサーを吹き付け、
乾燥後に再び研磨を行って表面を整えます。
次にブラックを塗装。
使用した塗料は、ロックペイント製の「ゼットブラック」です。
ゼットブラックは、深みのある高級感を持ったソリッドブラックで、
ラップ塗装のベースカラーとしても定番の塗料です。
ムラが出にくく、発色・隠ぺい性ともに優れているため、仕上がりに安定感があります。

ブラックに塗装した後は、
いよいよラップ塗装の工程に入ります。
サランラップにシルバー塗料を吹き付けて、
それをベースのブラックの上から叩くように転写して模様をつけていきます。
この技法は、不規則なマーブル模様を作れるのが特徴で、
仕上がりの印象を一気に変えてくれるポイントになります。

作業に集中していたため撮り忘れてしまいました。
ゲーム修理の時もよく忘れてしまいます・・( ;∀;)

次にキャンディーカラーを吹き付けます。
仕上げ!キャンディーカラー【パイロットグリーン】を重ね塗り
いよいよ仕上げです。
キャンディー塗料のパイロットグリーンをクリアーに混ぜ、
好みの色味になるまで丁寧に吹き付け・重ねていきます。

試し塗りの段階で何度重ねてもこの色味だったため、
これが限界だと判断しました。

ネジ類もラップ塗装しました。

ラップ塗装しました。

ラップ塗装後の段差を調整して最終クリアー
ラップ塗装をすると、塗膜にどうしても段差ができてしまいます。
この凹凸を滑らかにするために、まず軽く削って表面を平滑に仕上げ、
その後にクリア塗装でコートします。
この工程は、段差を目立たなくしつつ、塗装全体に艶と厚みを出すのに重要です。

よく見ると凹凸がたくさんあります。


組み立て&ブツ取りと磨き
乾燥後は、簡単にパーツを組み立て直し、
そのままブツ取りと磨き作業を行います。
カウルはペラペラと動くため不安定なので、
ボディに組み付けてから磨いたほうが作業しやすいです。

各パーツを組み付け。

を繰り返します。


仕上がったチアー110はこちら
レッグシールドを変に切ってしまったせいで、
どこかアルパカさんのような見た目になってしまいましたが、
塗装自体はうまく仕上がったと思います。


























さいごに
このバイクはもともと販売目的で引き取ったものでしたが、
塗装作業を通じて、思い入れのある1台になりました。
その後、すぐにご購入いただき、
現在も大切に乗られているとのご報告をいただいています。
(緑かぁ・・。赤が良かったなぁとおっしゃっていましたが・・泣)
今回のように、
「自分だけの1台に仕上げたい」「ちょっと個性を出したい」
といったカスタムペイントのご相談も承っております。
まずはお気軽にお問い合わせください。